頸椎の解剖学について

頚椎は7個の椎骨からなり、やや前弯しています。

第1頚椎と第2頚椎で構成される上位頚椎と、

第3~第7頚椎で構成される下位頚椎に分類され、両者は形態的にも機能的にも異なります。

上位頚椎は非常に特徴的な形態をしており、

第1頚椎は「環椎」とも呼ばれるだけあって、全体的に環状の形態をしています。ちなみに、環椎には椎体はありません。

第2頚椎は「軸椎」と呼ばれるだけあって、横から見ると上方に軸(歯突起)が伸びた形態をしています。

なお、環椎後頭関節(環椎と後頭骨の関節)と環軸関節には椎間板が無いのも特徴の一つです

 

下位頚椎はそれぞれ似たような構造をしています。

特徴としては、鉤状突起が存在してルシュカ関節を形成しており、側方の安定性に寄与しています。

加齢に伴い椎間板が変性していくと、椎骨や椎間関節への負担が増加して骨棘形成などの変形につながり、ルシュカ関節にも変形が生じます。ルシュカ関節のすぐ横には横突孔があり、内頚動脈と共に脳へ血液を供給する重要な動脈である”椎骨動脈”が通っていますので、ルシュカ関節の変形は横突孔を狭窄し、椎骨動脈を圧迫する可能性が考えられます。



そのため、一般に広く知られている首をグルグルと回す運動は、40歳を過ぎたら可動域の限界まで無理に動かすことは避けた方が良いかもしれません

 

第7頚椎は隆椎とも呼ばれるだけあって、棘突起が最も後方に突出しており、ランドマークとして使用されやすい部分です。ちなみに、第7頚椎には横突孔はありません。

頚椎は脊椎の中で最も可動域が大きい部位です。

 

【屈曲ー伸展運動】

環椎後頭関節が最も可動域が大きい部分です。次いで、第5/6頚椎間(以下:C5/6)の可動域が大きいとされています。

※文献によってはC5/6が最も大きいとしているものもあります。

 

【回旋運動】

環軸関節が最も可動域が大きく、頚椎回旋の50%を担うとされています。

 

【側屈運動】

C3/4とC4/5が最も可動域大きい部分です。

カップリングモーションは、同側型(例:右回旋、右側屈)であるとされていますが、上位頚椎は回旋と反対側への側屈を伴っているという報告もあります。

頚椎を安定させるためには、呼吸機能も関わってきます。

どのように関わるのかを、順を追って確認していきましょう。

そもそも、頚椎に限らず関節を安定させるには「動的安定化機構=筋・筋膜」「静的安定化機構=関節包・靱帯など」が重要になります。

頚椎における動的安定化機構を考えると、ワイヤーシステムによる垂直安定化が重要です。

ワイヤーシステムとは、頭半棘筋・頚半棘筋・斜角筋・胸鎖乳突筋・肩甲挙筋・僧帽筋による安定化システムのことです。例えるなら、テントを張るときに四方からロープで引っ張ってテントを安定させるかと思いますが、そのロープの役割が前述の筋群ということになります。

このワイヤーシステムを担う筋の中には、斜角筋・胸鎖乳突筋・僧帽筋などの呼吸に関与する筋も含まれます。(胸鎖乳突筋と僧帽筋は吸気補助筋)

つまり、通常の安静吸気であれば横隔膜が70~80%を担うため、これらの筋はそこまで呼吸には関与しなくてよいのですが、呼吸の乱れが生じることで頚椎安定化に関与する筋の、呼吸への動員割合が増えてきてしまうことが考えられます。

そのため、呼吸機能を改善するということは頚椎を安定させるうえでとても大切になります。

さらに言うなれば、それらの筋が付着する胸郭や肩甲骨の安定化も重要ということになります



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