運動生理学エネルギーシステム、筋収縮、筋膜 まとめ

エネルギーの種類はATPの1種類だけです。

正確には、ADPというATPの変化形もあるが、ADPはそもそもATPからできる物なので、

まとめるとATPの1種類だけです。

 

では

「ATPの作り方も1種類で事足りないの?」

と思う人もいると思います。

 

では、なぜ故にエネルギーの作り方が3種類もあるか。

それは、色んな運動に対応するためです。

1種類のエネルギー供給系なら、私たちは車や電車のように、エネルギーがある間は全力でもゆっくりでも走れる。

ただ、最終的に走れる距離は変わらないということになります。

つまりは、エネルギーがなくなれば全く走れなくなります。

 

しかし、人間は実際どうなっているかというと、全力で走れる距離はかなり短いです。ですが、歩きなら半永久的に続けられます。

そうじゃなくても、人間には臓器を一生動かし続ける義務があるので、ゆっくりと長くエネルギーを作り続けることを人間は得意にしています。

 

そんな中、ある時にはより早くエネルギーを作って大きな力を出すことも出来るように、その時だけ違うエネルギーの作り方をしないといけないという訳です。

そのために、必要な時に必要な分のエネルギーを作れるように、3種類のエネルギー供給系を人間は使い分けています。

 

ATP-CPr系


ATP-CPr系は最も早くエネルギーを作り出すことのできるエネルギー供給系です。

 

なぜ、このエネルギー系が早くエネルギーを作れるかというと、エネルギーを作る過程が1段階だけで非常にシンプルだからです。

そのため、ATP-CPr系では一瞬でエネルギーを作ることが出来ます。

早くエネルギーを作れるということは、時間あたりより多くのエネルギーを作ることができ、それは時間あたりより大きな力を出せるということになります。

なので、このエネルギー供給系のお陰で、突然に大きな力を動き出すことが出来ます。

一方で、ATP-CPr系によるエネルギーの生産は、原材料となるクレアチンリン酸(CPr)を8秒程度で使い切ってしまい、継続できなくなります。

つまり、その後は違うエネルギー供給系でエネルギーを作らなければならないということになります。

そのために、最初の一瞬の瞬発力に重要になるのがこのATP-CPr系です。

 

 

解糖系


解糖系とは、字のごとく糖を分解してエネルギーを作り出すエネルギー供給系です。

糖は糖質、つまり炭水化物です。

炭水化物は食べると胃や腸で分解されグルコーゲンとなって体内に保管されています。解糖系は、そのグリコーゲンを分解することでATPを作り出します

そして、解糖系の特徴はATP-CPr系に次いで2番目に早いエネルギー供給系で、ATP-CPr系が約8秒で止まり始めた頃に出遅れてATPを作り始めます。

ATP-CPr系は約8秒間つまり50m程度し走ればすぐに限界が来るのに対して、解糖系はかなり長く持ちます。

というのは、ダッシュなどの運動をすると解糖系が限界を迎える前に筋が酸化するという原因で筋肉に限界がきてしまうので、解糖系はなくならずじまいになります。

なので、解糖系を限界に追い込むためには、割とコツコツと1-2時間は運動を続けないといけません。

なんですが、割とコツコツと運動を続ける球技などでは解糖系の限界近くまで使います。

サッカーもそうですが、90分間に渡ってダッシュしたりジョギングを挟んだり止まったりしながら割とコツコツ運動を続けるので、解糖系がかなり限界まできます。

そして、それが試合終盤の疲労の原因になります。

 

 

ちなみに、激しい運動を続けると筋肉に溜まってくることで有名な乳酸は解糖系によって作られます。

ちなみに、乳酸自体は疲労物質ではありません。よく間違われて認識されていますが。(その話は、長くなるので今度にします。)

まとまると、解糖系は長い時間渡って激しい運動を繰り返すスポーツ選手にとって非常に重要なエネルギー供給系です。

 

「筋膜」とは「筋」という用語がついていますので筋肉となにかしら関係があることが想像されます。実際には全身をつつんだり、筋肉1つ1つを何層にもわたって包んでいる“膜組織”の総称で正式な名前は「存在する場所」と「働き」によって異なった名前がついています。

列挙すると

  1. 浅筋膜

  2. 深筋膜

  3. 筋外膜

  4. 筋周膜

  5. 筋内膜


これらの筋膜は骨格に筋肉や内臓などの組織をはりつけて形つくっているので第2の骨格とも呼ばれることがあります。

筋肉は筋繊維と言われることがあるように細かくわけていくと細かい糸状の組織から構成されています。

ただしこの糸状の組織だけではバラバラになってしまって形を維持できません。ですので筋膜というラップで包んでみます。するとソーセージのような袋状の形になりました。こうなるともう糸状の組織はバラバラにはなりませんね。

更にこのソーセージ状のものが何個も集まって再度筋膜で包むということを数回繰り返していくとやっと見慣れた筋肉になります。

筋膜は深い部分から

  • 「筋内膜」

  • 「筋周膜」

  • 「筋外膜」


という名前がついています。

筋肉は骨格に付着していますが小学校の筋肉や内臓を取り外しできる人体模型を思い浮かべてみてください。筋肉や内臓を骨にとりつけたとしてもそれだけでは筋肉や内臓は簡単に場所がずれてしまいます。そこでスーパーの精肉コーナーで売られている肉のように骨格に筋肉や内臓をつけてから筋膜で身体全体をボディスーツのように包み込みます。この筋膜は深筋膜と言います。

深筋膜があることによって二の腕の筋肉(上腕二頭筋)が横に移動したり、真後ろに行くということがないんですね(笑)

更に、深筋膜があれば浅い層の筋膜があります。それは皮膚の下にある皮下脂肪がそれです。名前を浅筋膜と言います。

実際には2層構造になっており、外側は脂肪を含み、内側は脂肪を含みませんが、皮下脂肪層を浅筋膜と捉えてよいと思います。

 

骨格筋は、動物の筋肉の一分類であり、骨格を動かす筋肉を指す。ここではヒトの骨格筋について記す。

骨格筋は組織学的には横紋筋であり、内臓筋が平滑筋であるのと対照をなしている。ただし浅頭筋などにみられる皮筋や、舌や咽頭、横隔膜のような内臓筋の一部も骨格を支えているわけではないが、骨格筋組織である横紋筋である。

骨格筋は骨格に対して、関節をまたぐように結びついている。その結びつく関節との関係からは、大きく屈筋伸筋に分けられる。前者はその関節の曲がる側についており、縮むことで関節が曲がるようになっている。後者はその反対側につき、縮むと関節が伸びる。筋肉は収縮時に力を出すが、自分自身で伸びることはできないので、屈筋と伸筋が互いに拮抗的に働くことで関節の曲げ伸ばしが行われる。

骨格筋の形状はさまざまであり、紡錘筋、羽状筋、半羽状筋、鋸筋などに分類される。

また骨格筋には枝分かれしているものがあり、筋頭(骨格筋の、体の中心に近い部分)の数で分類することができる。筋頭がひとつのものを単頭筋、筋頭が二つのものを二頭筋、三つのものを三頭筋、四つのものを四頭筋と呼ぶ。

筋線維には大きく2種類あり、ミトコンドリアに富んで酸素を利用した持続的な収縮の可能な遅筋線維(Type 1、赤筋、色の原因は、酸素結合性タンパク質、ミオグロビンである)と、ミトコンドリアは比較的少なく解糖系による瞬発的な収縮の可能な速筋線維(Type 2、白筋)にわけられる。速筋線維の中でもやや持続的収縮に向いたものはType 2a、そうでないものはType 2X、Type 2bとさらに細分される。最も速い速筋繊維であるType 2bはラットなどのげっ歯類の骨格筋繊維に含まれているが、ヒトの骨格筋においてはほとんど含まれていない。

なお、遅筋線維、速筋線維はそれぞれ遅筋速筋と呼ばれることが多い。さらには、両者の性質を備えた中間筋の存在も認められている。

 



 

以前から説明される筋収縮の分類としては、関節動作を伴わない「静的」な「等尺性筋収縮(アイソメトリック コントラクション)」と関節動作を伴う「動的」な「等張性筋収縮(アイソトニック コントラクション)」の2種類が代表的なものでした。

「等速性筋収縮(Isokinetic Contraction:アイソキネティック コントラクション)」は、1960年代中頃、ニューヨーク大学 整形外科学教室とテクニコン社(Technicon Corporationによる共同研究が行われ、1967年に Hislop、Perrine、Thistle らによる新たな論文が発表され、初めてこの概念が紹介されました。

 

「等尺性筋収縮」と「等張性筋収縮」の状態は日常の動作中にある状態ですが、「等速性筋収縮」と言う状態は日常動作中にはなく、人為的に機械を介して作られるものです。

等尺性トレーニングや等張性トレーニング以上の高い効果を生み出すために、等尺性と等張性の利点と弱点などを踏まえ「等速性(アイソキネティック)」が誕生しました。これによって個別筋のトレーニングのみでなく、よりパフォーマンスとしての筋力評価やトレーニング方法の研究が進展したといえます。

近年の筋収縮(筋の運動)について述べられている殆どのものは、「等尺性筋収縮」、「等張性筋収縮」、「等速性筋収縮」が並べて解説されていますが、何世紀にも亘る運動療法の歴史の中で、アイソキネティックの理論が登場してから丁度半世紀を越えたことになります。

ここでは簡単にそれぞれの筋収縮様式の特徴を紹介します。

 



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