速いレップ速度は筋力の増加を助長するか? パート1/2


レップ速度の筋力に対する影響は、評価を行うことが困難である。


速いバー速度を指示する人達と遅いバー速度を支持する人達が、それぞれに存在し、速いバー速度の支持者たちは、速いバー速度は閾値の高い筋繊維をより多く動員することを可能にすると示唆し、遅いバー速度を支持者たちは、より大きなタイムアンダーテンション(筋緊張下の時間)をアピールしている。


研究者たちは他の変数を制御することの難しさに悩まされているということ。


力-速度の関係性のために、最も問題となる要素は相対的負荷である。


この総括は、相対的負荷を制御した等慣性筋力トレーニングを行う際、レップ速度がどのように筋力増加に影響を及ぼすかについて我々が現在知り得ていることを詳しく説いたものである。


序論


様々な研究者たちやストレングス&コンディショニングコーチたちは、レップ速度が筋力に対して重要かもしれないと提議している。


ウェイトトレーニングには次に挙げるような2つの基本的な方法がある:


(1)最大速度にて、


(2)制御された最大下速度にて。


この2つめの方法においては、超低速から超高速(最高速度以下ではあるが)まで様々に異なるリフティングの速度を用いることができる。


一部の研究者たちとストレングス&コンディショニングコーチたちは、レップ速度やバー速度に対するより適切な言葉は「レップ継続時間」であると提議している。


これは「タイムアンダーテンション=筋緊張下の時間」の重要さをより強調した言葉である。


しかしながら、このような専門用語に対する考察は、より深刻な問題である変数を隔離することや結果を測定することと比較するとそれほど重要なものではない。


変数の分離に関する問題


関連のある他の全てのトレーニング変数(相対的負荷、トレーニング量、筋限界、タイムアンダーテンションなど)から完全に分離して、レップ速度を変化させることは実際には不可能である。


これは主として力-速度関係のためである。


高負荷を動かすために大きな力が必要な場合、筋肉の収縮速度は遅くなくてはならない。


これは、速いレップ速度と遅いレップ速度の比較は多くの場合、力産出が異なるため本質的には異なる相対的負荷を比較しているということを意味する。


重いものを持ち上げようとしたら時間がかるといういたってシンプルなことである。


この点における当然の結果、相対的負荷が統一され、全ての場合においてセットが筋限界までおこなわれた場合、異なるレップ速度の2つのワークアウトプロトコールが同等のトレーニング量(負荷xセット数xレップ数)となることはないであろう。


実際には同等の相対的負荷の場合、速いレップ速度はより多くのレップ数を行うことにつながるというのが常である。


ゆえにトレーニング量は多くの場合、コンディションにより異なってくる。


同様に、トレーニング量が人為的に均一化された場合、1つのコンディションにおいてのみ筋限界まで行うことが必要となるようである。


これは、研究者たちがどの変数が最も結果を混乱させがちであるかを選ぶ必要があることを意味しており、この研究を完了する前に最も重要なトレーニング変数を決定せねばいけないことを意味している。


全てのこの議論は、トレーニング変数としてレップスピードのみを孤立させることは難しいということを単に示しているだけである。


レップ速度が変化すると、相対的負荷や量や筋限界への接近などの他のトレーニング変数は固定されている他のパラメーター次第で同時に変化するのである。


筋力測定に関する問題


異なるレップ速度によるトレーニングプログラムの効果を評価する際の、その他の主な問題点は、筋力を測定する方法である。概ね我々は、等尺性筋力、等運動性筋力、及び等慣性筋力(エクササイズに対する1RM )を測定することができる。


これらのカテゴリーの中で、等尺性筋力は異なる関節角度において測定することができ、等運動性筋力は異なる速度において測定が可能である。


レップ速度については、テストされるトレーニングプログラムの多くが同じ速度でのトレーニングを含んでいることが多いため、異なる速度において等運動性筋力を測定する際に最も問題となる。


それゆえ、トレーニングの特異性の問題が存在し、低速での等運動性トレーニングが低速での等運動性筋力につながり、高速での等運動性トレーニングが高速での等運動性筋力につながるということは、特に驚くべきことではないのである。


しかし残念なことに、等運動性の測定方法を除外する以外にはこの問題を簡単に解決する方法はない。


選択基準


この総括に対して私は下記の選択基準を設けた。


・レップ速度の筋力増加に対する意図的な(偶発的ではなく)効果を調査している介入


・従来のレジスタンストレーニングの方法のみを用いた介入(等運動性及び等尺性以外)


・動力学的/等慣性、等尺性、等運動性の方法による筋力測定


・均一な相対的負荷での研究


これは理想的なアプローチ方法ではないが、これが現在のところ研究論文における限界のようであり、単にバーを可能な限り速く動かすよう試みるというよりはむしろ、特定のバー速度もしくはテンポでのトレーニングによる効果の違いを調査する1つの方法であると意図されている。


研究論文を分析する方法が他にも存在する(おそらく同等に有効)ということは周知のことである。


洞察力の高い人は、私が均一の相対的負荷による研究についても述べていることから、等運動性もしくは等尺性トレーニングの介入が除外されたということを明記する必要はなかったことに気がつくだろう。


異なる等運動性速度はそれが最大の努力により行われるため本質的には異なる相対的負荷が関わっており、ゆえに力-速度の関係は、より遅い等運動性速度はより速い等運動性速度よりも高い相対的負荷を伴うということを意味する。


グループ間でトレーニング総量を明確に一致させた従来のレジスタンストレーニングに関する研究を見つけることは不可能であった。


パート2へ続く

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