筋肉の性能をフルに発揮させる方法




















 


物が動かないと、筋肉が仕事をしたことにならない


今回は、力学的パワーについて説明します。


実際の運動パフォーマンスにおいては、このパワーというものが非常に重要な意味をもってきます。


物を持ち上げる(動かす)という行為は、筋肉の働きとしてはアイソメトリック(等尺性収縮)からコンセントリッ ク(短縮性収縮)の領域です。


力を出していてもギリギリ負荷が持ち上がらないところが等尺性最大筋力に等しい力になり、負荷が軽くなるに従って 徐々に持ち上げるスピードが上がってくる。


そこでは筋肉がコンセントリックな収縮をしているわけですね。


等尺性最大筋力を発揮しているときは速度がゼロですから、筋肉はエネルギーを使っていません。


力は出しているけれども仕事をしていない、という奇妙な状態になっています。


力学的な観点だけで考えると、いくらやっても疲れない状態でもあるということになります(実際は熱という形でエネ ルギーは産生されています。このことは別の回で説明します)。


一方、コンセントリックな領域では、筋肉が出している力と、どのくらい物を動かすかという距離によって仕事の大き さが決まります。


同じ力を作用させて一定の距離を動かす場合、筋肉がなす仕事は「力×距離」という式で求められます。


負荷が重ければ重いほど筋肉の仕事は大きくなり、軽くなればなるほど小さくなる。


そして最終的に負荷がゼロになって最大速度を出しているときは、速度は大きくても力がゼロなので、やはり仕事はゼ ロということになります。


つまり、力を発揮して物を動かさないと、筋肉は仕事をしたことにならないわけです。


パワーのピークは最大筋力の 30~35%


では、筋肉の力学的パワー(仕事率)を求めてみましょう。


パワーとは 1 秒間当たりに筋肉がどのくらい仕事をするかということですから、最も単純な計算式は力×距離÷時間にな ります。


仮に筋肉が出す力が一定だとすると(等張力性条件)、力は時間に依存せずに一定になるので、力×(距離÷時間)。


距離÷時間は速度ですから、等張力性条件のもとではパワー=力×速度ということになります。


肘の屈筋で調べた力-速度関係のグラフ掲載を以前しましたが、この双曲線状のグラフができていれば、あとは力(横 軸)と速度(縦軸)をかければ、自動的に力とパワーの関係をグラフにすることができます。


 

これは下図にあるように、鍋を伏せたような、上に凸の放物線を描きます。


このグラフからもわかるように、等尺性最大筋力を発揮しているときは、力は最大でも速度がゼロなのでパワーもゼロ。


また、無負荷最大速度のときは、力がゼロなのでパワーもゼロになります。






動作に関わる筋肉が増えて複合関節動作になると、話は複雑になるのですが、肘を曲げる、膝を伸ばすといった単関 節動作においては力-速度関係はきれいな双曲線になり、そこからパワーを導き出していくと最大筋力の 30~35%くら いの力を出しているときにパワーがピークになることがわかります。


これは、ほとんどすべての筋肉に共通している特性です。


筋肉の性能をフルに発揮させるには?

















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