ジャンプ能力と長距離走のパフォーマンスはどのような関係にあるか? パート1/2









ジャンプ能力とスプリントパフォーマンスでは筋力を発現させる能力が共通しているようであるため、ほとんどの場合、我々はその2つの良好な相関関係を期待している。


また一方、突き止め理解するのはとても困難ではあるものの、筋力と長距離走の能力の間にも関連がある。この研究は水平跳びの能力と5キロまでの長距離走の能力との間に良好な関係があることを示しているものである。


 

背景


ジャンプ能力とスプリント能力には相関関係があるか?


ジャンプ能力とランニングパフォーマンスの関係を調査した以前の研究のほとんどは、100-300mの短距離走に焦点を置いていた。


これらの研究は、スプリントパフォーマンスとジャンプ能力の間に良好な相関関係を発見している。異なるタイプのジャンプとスプリントスピードの相関関係を示した主要な論文は下記のものである。


・スクワットジャンプ (Chelley, 2010, Smirniotou, 2008)


・ドロップジャンプ (Kale, 2009, Barr, 2011, Bissas, 2008)


・カウンタームーブメントジャンプ (Vescovi, 2008, Young, 2011)


・スタンディングロングジャンプと三段跳び (Brechue, 2010)


しかし、以前にジャンプ能力と長距離走のパフォーマンスの相関関係を調査した研究は無い。


ジャンプ能力が長距離走のパフォーマンスと相関関係にある可能性があるのは何故か?


一見奇妙に思えるかもしれないが、ジャンプ能力には長距離走の能力にも影響を及ぼすかもしれない側面があるという可能性がある。


これは下記の研究で示されているようなパワーベースのトレーニング方法による長距離走のパフォーマンスの向上により示されている。


・レジスタンス(Millet, 2002, Paavolainen, 1999, Kelly, 2008, Johnston, 1997, Ferrauti, 2010, Taipale, 2010, Støren, 2008 and Mikkola, 2007)


・プライオメトリック (Turner, 2003 and Spurrs, 2003)


これらの研究のほとんどは、ストレングストレーニングやプライオメトリックトレーニングによる筋力の向上がより良いランニング効率(実測または含意)をもたらし、それがパフォーマンス向上へとつながると示唆している。


 

より優れた筋力が、いかにしてランニングパフォーマンスの向上へとつながるのか?


長距離走のパフォーマンス向上は、より良いランニング効率によって得られるようである。


しかしながら、パワートレーニングがどのようにランニング効率を向上させ、ランニング能力を向上させるのかは、完全に明確ではない。


ある理論では、より優れた筋力は各ストライドで使われる最大脚力の割合の低下につながるとされている。


これはランニングの際に動員される運動単位数を減少させると考えられ、よってより効率的である可能性がある。


他の理論では、より優れた筋力は力発生率の増加を意味するとしている。


これは、各ストライドでのより長い弛緩時間につながる。


収縮した筋肉はその筋肉内の血流を妨げるため、より長い弛緩時間は、働いている筋肉内の血流を向上させ酸素と代謝基質へより多くアクセスできるということを意味する。これにより、疲労に至るまでの時間が延びるかもしれない。


 

研究者たちは何を行ったのか?


研究者たちは、水平三段跳によって評価されたジャンプ能力が様々な距離のランニングパフォーマンスと関係があるかどうかを調査した。


三段跳は単に、立位で両脚での3回連続した水平跳びで実施された。


評価対象となったランニングの距離は60、100、200、800、3000、5000mトラックのランニングイベントであった。


彼らは、異なる距離を専門とするランナー達のベストタイムを集め、彼らの三段跳のパフォーマンスとの相互関係を比較した。


研究者たちは定期的に60−5000mのランニングイベントに参加している33名の陸上競技ランナーを集めた。


ランナーは10名のスプリンター(男性5名、女性5名)、11名の中距離ランナー(男性6名、女性5名)、12名の長距離ランナー(男性8名、女性4名)から構成されおり、すべての被験者はNCAAディビジョンIの競技選手たちであった。


60,100,200mのイベントにおいては2名のスプリンターを除いてすべての被験者の実際の競技でのタイムが使われ、同様に800,3000,5000mのイベントにおいては全ての中距離と長距離ランナーの実際の競技タイムが使われた。


三段跳テストは研究所内で行われた。


 

研究者たちはどのようにしてデータの相関関係を証明したか?


研究者たちは変数間の関係を確定するためにピアソンの相関係数を使用した。


ピアソンの相関係数(rで示される)は変数間を直線関係で表しており、-1から1の範囲で構成されている。


1という値はYが増加すると共にXが増加するというように全てのデータポイントが直線に沿って位置し、XとYの間に完璧な直線関係があるということを意味する。


一方、-1という値はYが減少すると共にXが増加するというように全てのデータポイントが直線上にあることを意味する。


0という値は、変数の間に直線関係がないということを示唆する。


1、0、もしくは-1に近い値は、明確な関係性があるのか、否定的な関係性があるのか、もしくは全く関係性がないのかを知らせてくれるため、研究者や我々のように研究論文を読む人にとっては貴重である。


 

何が起こったのか?


ジャンプ距離とスプリントタイムの相関関係


研究者たちは、水平三段跳テストとスプリンターたちの60mのタイムの相関関係が非常に高いことを発見した(r = 0.97)。


彼らはまた、三段跳テストのパフォーマンスと100mと200mのタイムの相関関係も同様に高いことを発見した(それぞれにつき r = 1.00 and r = 0.97)。


 

ジャンプ距離と長距離走の相関関係


研究者たちは、ジャンプ距離と800mのタイムの相関関係は良好であり(r = 0.83)、ジャンプ距離と3000mと5000mのタイムの相関関係は中度から良好の間であるということを発見した(r = 0.72 and r = 0.71)。


パート2へ続く





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